第60回放送番組審議会議事録
1.開催年月日 平成25年2月4日(火曜日)
午後4時~午後5時
2.開催場所 エフエム世田谷 会議室
3.出席予定者 委員総数 6名
出席委員数 4名
佐藤 菊夫 委 員
小林 憲夫 委 員
張 晶子
委 員
古谷 真一郎 委 員
欠席委員数 2名
倉本 俊幸 委 員
大杉 伸一 委 員
放送事業者側出席者
代 表 取 締 役 社
長 平谷 憲明
取 締 役 副 社 長
(FM放送事業本部長兼務) 深井 教雄
FM放送事業本部 次長 武田 和子
事業調整担当課長 幸田 雅夫
4.議 題 (1)エフエム世田谷放送番組
番組名「川畠成道のレディオ・ストリングス」
平成25年1月27日(日)午前10時30分~11時30分放送分
5.議事の概要
(1)放送局側からの審議番組の説明
(2)当該番組の試聴
(3)出席委員による当該番組の審議
(4)関連事項について出席者全員での意見交換
(5)その他
6.審議内容
定刻、事務局より委員総数6名のうち4名が出席しているので、放送番組審議会の
規定により本日の審議会が正式に成立する旨を報告したのち、佐藤副委員長に議事
進行を依頼した。
佐藤副委員長の開始宣言に続き、副委員長の指示により武田FM放送事業本部次長
が審議内容の説明を行った。
(1)番組概要
〈 番 組 名 〉「川畠成道のレディオ・ストリングス」
〈放送曜日・時間〉毎週日曜日 午前10時30分~11時30分
〈番
組 内 容〉バイオリニストの川畠さんが、クラッシク音楽をやさしく・わ
かりやすく色々な視点から解説しているクラッシクファンか
ら人気の高い1時間番組。
〈 制 作 〉株式会社世田谷サービス公社FM放送事業本部(エフエム世
田谷)
(2)審議対象放送内容
平成25年1月27日(日)午前10時30分~11時30分放送分
7.審議における委員の主たる意見、質疑は次のとおり
佐藤副委員張
・この番組は、何年前から始まったものか。
武田次長
・2008年の4月から始まった番組です。
小林委員
・ターゲットは、広く、どんな人でもわかるということか。
武田次長
・どんな人でもわかるような視点で、と制作側からは聞いています。
小林委員
・コアのクラシックファンと、広く取った場合のアプローチの違いは、どこに設定して
いるのか
武田次長
・川畠さんの説明の仕方が平易ですが、取り上げている題材は特に制限を作ることなく
いろいろな方を取り上げて話していただいています。クラシックファンであれば良く
ご存知であるカーネギーホールの誕生のことや、皆が良く知っているモーツァルト、
映画の話などは親しみやすく、幅広い層の人たち向けの放送となっています。
佐藤副委員長
・エフエム世田谷の番組の中では、クラシックは珍しい。親しみやすく、わかりやすく、
なじみのある説明の仕方・解説という面で話されている。クラシックの番組は、余り
聴くことはないが、古谷委員いかがでしょうか。
古谷委員
・こういう方面には造詣がすくない。しかし、このような音楽の授業なら楽しく聴ける
ということがわかる。話としてはわかりやすいので、モーツァルトならモーツァルト
だけとかに、もっと絞っても良いのではないか。
小林委員
・クラシックの紹介について、川畠さんは、作曲家の人なりや歴史に絞って解説してい
たように感じたが、音楽自体の演奏の仕方、例えばダムロッシュ氏の指揮や曲の分析
なども解説するのも良いのではないか。
武田次長
・本日試聴いただいた番組構成では、このようなアプローチでしたが、川畠さんは、こ
れまでの番組の中では、指揮者や楽器、演奏会やホールについても紹介するなど、色々
な方向から取りあげています。
佐藤副委員長
・ダムロッシュ氏がカーネギ―ホールが出来上がった時には、作曲した譜面しか残って
いない。どのように演奏したかもわからない。当然、楽器や演奏方法も含めて現代と
違っている。川畠氏が最初に話している時代的な話は、こういうことであったという
振り返りであったのではないか。残念だったのは、指揮者、演奏家、オーケストラの
名前などを言ってもらえれば良かった。また、音源に雑音が入っていたが、録音が古
いものだったのか。
張委員
・番組構成で、トークの時間と音楽の時間配分は、どのようになっているか。6曲流れ
ているが。
武田次長
・それぞれ何分という決め方はしていないと思われます。この日は6曲流れていますが、
全編はかけられませんので途中にBGMにして解説をしていました。長いクラシック
の曲を全編かけるということでなく、お話をしながら聴くという番組構成になってい
ます。
張委員
・川畠さんの話は、言葉が平易で、川畠さん自身が受けた感覚をそのまま話している部
分があってわかりやすい。この日のテーマ―はダムロッシュさんは知らなくてもカー
ネギーホールは知っているので、一般人にもわかりやすかった。一方の人を語る、歴
史を語るというつなぎをしていることは、それはそれでおもしろいが、1回しか出て
こない名前の方は聴いている方も「名前は聴いたがなんだっけ?」となるので、人間
すごろくではないが、今回出てきた人を次の週に取り上げ、つないでもらえると、そ
の時に聞いた名前がもう1回いきるのでないかと感じた。音楽的解説は、モーツァル
トのドイツ語のオペラは受け入れられなかったとかお客が入らなかったことなどは、
今聴いている私たち素人にはどうしてなのか疑問があるので、ポイントとなる点を話
してもらえれば良かった。
佐藤副委員長
・その点は歴史の問題もあり、イタリアはオペラ発祥の地。オペラの題材がイタリアか
ら出たものであるため、ほかの国々もイタリアから受ける影響が非常に大きく、イタ
リアのオペラこそ歌劇として鑑賞にたるものであった。最初に取り組んだモーツァル
トでも、当時はドイツで行ったオペラであってもイタリア語でなければ受け入れられ
なかった。当時、ミラノが30万人の人口でオペラ劇場が10数か所あるというぐら
い、あちらこちらでオペラが競演されていた。
張委員
・すごいですね。世田谷区に置き換えると、30か所ぐらいとなりますね。
佐藤副委員長
・鑑賞している人は、町の人ではなく周辺を航海している船乗りや客員などで、ベニス
やナポリなどでも、この人たちの娯楽はオペラしかなかったと言われている。
当時のオペラの女役は、男性が演じていた。
小林委員
・クラッシク番組が珍しいのは、難しいからと思う。ラジオにのせるのはとても長いし、
聴く層も限られているため。私が良く聴くクラシック番組に日曜日朝放送の「気楽な
クラシック」というものがある。番組の一番の売り物が、イントロクイズで、そうい
ったものも取り入れると良いのではないか。
佐藤副委員長
・ウィーンでは、クラシックは放送で流すことを禁止している。なぜかというと放送で
流すとクラシックの客が少なくなるから。オーストリアでは、クラシックは演奏会に
足を運んで生で聴くものであるとの考え。ラジオやテレビでジャズや軽音楽などは流
しているがクラシックが流れることはまずない。クラシック音楽の受け止め方が違う。
小林委員
・日本では、逆に番組を聴いて生演奏会に行きたくなる。
張委員
・今、伺っていて、国によって音楽に対する意識が違うので、各国の音楽の受け止め方
や楽しみ方、ドイツがイタリアに追いつくまでにどのくらいかかっているのかなどを
番組の中で紹介してほしい。ちらと出てきた名前は、そのまま消えてしまうのは悲し
いので、そのあとの回の放送番組でも重ねて少しずつ紹介していくとおもしろいので
はないか。
佐藤副委員長